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リハビリテーション専門職である作業療法士(OT)から、介護士に転職した私が日々思うこと

2024

0503
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2016

0523
私の働く療養病棟で、以前疥癬が発生したことがあり、その際とあるおばあちゃんが隔離対応となりました。
それまで、少々認知症はあれど比較的頑張り屋で自立心もある方で、Dパンツ対応でギリギリトイレに一人介助で行けており、尿失禁の頻度もまぁそこまで多い人ではありませんでした。

疥癬による隔離対応の間、週に一度くらいPTが隔離部屋に入ってROMexをする程度で、OTの姿は一度も見ず。

そんな中、隔離された心細さからそのおばあちゃんの認知症はグイグイ進んでいき、具体的な用事もないのにスタッフを呼び続けたり、自分が何をしてほしいのかもわからずに「やってくれる?」「何をしてほしいの?」「わからないけど、やってくれる?」というような会話を繰り返すように。

その後隔離解除になってからも身体機能も精神機能も坂道を転がるように落ち続け、約1年後の今はハイケアルームで生死の境をさまよっています。


私の職場では、疥癬が発生するたびに、感染拡大を防ぎ、なるべく早く治療を完了させるための手続きや手順がマニュアル化されて確立してきました。看護・介護スタッフの動きはかなり整備され、今後も洗練されていくと思います。
ただ、隔離されている患者の機能維持、特に精神的な負担についての検討が全くなされていないように感じます。

あのおばあちゃんが隔離されている間、担当のOTはどこでなにをやっていたのか。あの人にはROMex以上に必要なものがあった。

減算の関係やなにやらで、週に一度程度のリハビリしか提供できないのかもしれないけれど、隔離されていたりするような非常時でも同じなのか?
仮に減算どころか算定もできない介入だったとしても、あの人がその後ADLがガタ落ちしてトイレにも行けず、尿便意も失ってオムツ排泄になった消耗品のコスト、失禁したシーツなどの交換が頻繁になったことによるクリーニングのコスト、それにたびたび介助の人手が必要となる人件費的なコスト、そして今点滴など必要となっている薬剤等のコスト、それを考えたら、あの時もっとリハが、あの人に関して言えばもっとOTが介入していれば、経営的にもかえってコストもかからなかったのでは?

私は病棟で介護士としてそれを見ていましたが、正直病棟ではなにもできませんでした。通常業務にプラスして、疥癬の感染患者および疑いの患者は全て毎日入浴、毎日居室掃除とリネン交換。通常業務すら終えきらないのではないかと思いながら怒涛の業務量に追われていました。
あの時、患者に寄り添う時間を持てたであろう人はリハビリだけ。
でも、隔離になっているという理由からか、むしろ普段以上にリハ介入は少ない。

隔離対応時のリハビリの動きをどうするのか、患者の機能維持や精神的な負担の軽減をどう図るのか、まずは検討の議題として上げるところから始めてほしいと願っています。

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2016

0516
いま、私の所属している介護療養病棟が楽しいことになりつつあります。
遂に遂に、念願だった看護・介護職への介助技術勉強会をはじめました…!!

今回やり始めた介助技術勉強会で最も大切にしているのは、
「あ、ホントだー、全然違う」
「なるほどねー、この後の業務でちょっとやってみよっと」
と思ってもらうこと。

講師役の私1人に対して、参加者は最大4人まで。
1テーマにつき3回シリーズで、1回は業務の合間を縫って15分程度。
一ヵ月に1テーマずつで、その一ヵ月の間に3回シリーズを必ず受講。
まず第1回は「体験編」、参加者はとにかく患者役だけやって「される経験」をしてもらう。
第2回は「練習編」、今度は介助者側になって練習。これは本人希望で何回でも受講可能。
第3回は「チェック編」、実際の患者さんに対する介助を私がチェックさせてもらう、いわゆるちょっとしたテストみたいな。

作業療法士時代には、病棟の看護・介護職へ介助方法の伝達などを行っても、
今一つ浸透しなかったり、誰にもやってもらえなかったり…という経験もありました。
そして、(うちの)介護さん達は勉強なんか嫌いなんだろうな…なんていうイメージもありました。

だから、今回の勉強会を始めるにあたっても、
「勉強会やらされるなんてめんどくさいなー」
「月末になったら慌てて3回分受ければいいや」
なんてことを看護・介護職のみんなが思うのではないか…と心配していました。

でも。違いました。

「ながみーさん、今、手空いてる?例の勉強会、今から私、やってもらっていい?」
「今日どこかで時間があったら、勉強会の時間とってください」
業務の合間のわずかな時間を見つけて、みんな積極的に参加してくれて、
私は業務の合間合間で1日に同じ内容で3回も開催する、なんてことも。

前回の記事でも似たようなことを書きましたが、
伝わらない・受け入れてもらえないことで相手を嘆いたり恨んだりしてもお門違い。
伝わらないのではなく、たぶん自分の伝え方・伝える内容に問題がある。

因みに、こんなに積極的に介助技術勉強会に参加してくれる看護・介護職でも、
リハが今一つ上手じゃないデモンストレーションで介助方法を伝達しても、
現状、やっぱり浸透していません。

伝え方次第で、こんなにも響くのに。




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2016

0513
普段は介護士な私ですが、非常勤でとある施設で月に1日だけOTとして働いています。
そこは常勤の機能訓練士さんと週一の非常勤PTさんがいらっしゃるんですが、フロアスタッフの介助方法や接遇等に物凄く問題意識を持っていて、なんとかそれを改善できないか、と、ずっと頭を悩ませているそうなんです。
でも、フロアに教えても教えても、注意を促しても促しても、その通りに対応が継続されることがなく、かなりストレスを抱えているようです。
そしてフロアに対する不満や、もう諦めてしまったような投げやりな言葉、フロアスタッフを敵視してしまっているような話をなさいます。
フロアに渡している伝達資料を読ませてもらうと、さほど当事者ではない私ですらちょっと嫌な気持ちになってしまうような強い語調で、現在の介助方法に対する否定や、提案の介助方法が書かれています。

私の常勤の施設でも似たようなことがありました。
とあるPTが病棟への情報伝達やデモンストレーションの時に、やたらと命令口調で偉そうに話したり、伝達通りに出来ていないスタッフを見かけると強めに注意したりしてました。
そのPTは私がOTをやっていた時の後輩でもあったので、聞いたことがあります。
「どうしてそんなに上から目線で病棟スタッフに対応するの?」
「だって、言っても言ってもやらないんです。だったらもう、上から言うしかないじゃないですか」
そういう対応は、そのPTにとっても、患者さんにとっても良い結果を生まない、ということを伝えたんですがわかってもらえず。病棟では「なんかまたあのPTに怒られたんだけど!」という不満ばかりが話題になり、肝心の患者さんへの対応についての内容は誰も話題にしない、という状況が続いていました。結局そのPTが転職のために退職して終わったんですが。

私もリハの頃、なかなか病棟に想いが伝わらず「どうして提案通りにやってもらえないんだ」と不満を抱えていた頃があります。
でも、今介護士として病棟に入ってみて、確信を持って言えることがあります。

相手を敵視していては何も解決しないこと。
自分(リハスタッフ)が変われば相手(病棟スタッフ)も変わること。
伝わらない・継続されない内容は、やはりどこか焦点がずれているからだということ。
伝える内容、伝え方が良ければ必ず病棟にも伝わって活用されること。

だから、伝わらないことでイライラして敵対するような構図にならずに、相手に伝わらないことを相手のせいにせずに、分かり合って行って欲しいです。

嗚呼もどかしや…




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2016

0309
私の職場ではこれまでに、資格取得を目指して学ぶために退職した人達がいます。
ある介護士は看護師に、
ある介護士も看護師に、
あるMSWは看護師に、
あるリハ受付は看護師に、
あるSTは看護師に…
みんな看護師。
リハの資格取得を目指した人は1人もいません。

これって、リハとしてはちょっと恥ずかしい有様だなと。
同法人でリハとして働いていた私も、自分自身が恥ずかしいです。
言ってみれば、それってスタッフがリハビリ職に憧れない職場ってことですよね。
リハと最も関わっているはずのリハ受付さえ看護師目指しちゃったんですよ。

でも、介護士として病棟にいてみると、うちの介護士がうちのリハに憧れない理由がよくわかります。
だって、リハが何しているのかちっともわからないし、わからないから信頼もしていない。
そりゃー憧れようが無いな、と。

いつもリハと介護の間の溝について色々書いてますが、
その溝は介護士の転職という側面にも表れてるんだな、と感じています。
逆に言うと、介護士が看護師にもリハにも転職するような職場は、他職種連携が充分に図られていて、お互いが憧れ合えている職場だと言い換えられるのかもしれません。






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2016

0229
リハの頃は、自分の休みを利用して自腹で参加費を払って研修会に参加したりしてました。
介護に転職してからは、正直全然やれてません。

仕事の日は日中体力削りまくりで疲れが溜まっている、
その割に得られている収入がやたらと低い(赤字家計なぅ)、
そんな中で、体力的にも経済的にも、自分の休みに研修参加するゆとりがありません…。

介護職になる前は「介護さんももっと研修会とか行けばいいのに…」と残念に思ったりすることもありましたが、介護職の意識改革を考える一歩手前に、身体的にも経済的にもゆとりがないことにまず突っ掛かりがあると今は思います。

やっぱリハの頃は恵まれてたなー…同じ法人なんだけどなー…。

我が職場では最近、看護師・介護士にそれぞれ全員にテーマが振られ、
テーマに沿った内容の勉強会をするよう管理者から指示があり、業務時間内でのミニ勉強会があります。
職員の学びに対する意識改革を目指しているようです。
そんな中、介護のパートさんがお一人退職されます。
その人に退職の理由を聞いたら、
「勉強会が振られたりして、それが負担」
「もっと即実践できて身になるテーマだったらまだいいけど」
「ある程度業務がこなせる程度に働けたら私はそれで良かった」
とのことでした。
『勉強が負担』というはっきりとした言葉に少しビックリしたものの、
体力的にも経済的にも削られながら働いている自分自身を含めた介護職の日々をふと振り返ると、
そういう気持ちになる人もいて当然だなぁ…と納得してしまいました。

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